青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第6章 神様って
テーブルに広げられた劉の日本史の問題集を覗き込んでみるが、ホントに全く進んでない。
なんてこった。
「日本史はアゴリラの得意科目じゃないの?教えてもらえばいいじゃん」
「モミアゴリラに教えてもらうのは癪アル」
「どーゆー意味じゃ!それに足すな!!」
そんなことを言うアゴリラだが、こちらも全く進んでいない様子。
ちなみにアゴリラは、数学で赤点を取った模様。
「お互いに得意教科なんだから、教え合いなよ」
「鈴佳。今の聞いてたアルか?ワタシは…」
「あーもう!聞いてたから!!てか、赤点取った分際で何言ってんの!?」
アンタらは追試で合格できなかったらどうなるか分かってんの?
何だかんだで仲いいんだから、そこは協力しなさいよ。
私は「はぁ…」と、雅子ちゃんにまで聞こえるような大きな溜め息を吐いた。
これで今日吐いた溜め息はいくつめだろう。
いい加減、幸せ逃げるわ。
「もう。現代文は見てあげるから。日本史はアゴリラに習って。いい?」
「鈴佳が言うなら仕方ないアル。モアラ、日本史教えろアル」
「原型ない!?それが人にものを頼む態度か?!」
「人じゃないアル」
「はいはい。そこまでねー」
またもや言い合いが始まりそうになったので、私は間に入って二人を引き離した。
何も言い返すこともできずに引き離されたアゴリラは、「わしの味方はどこにもおらんのか…」と嘆きだしたが、とりあえず面倒なので無視した。