青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第6章 神様って
入部三か月でこんなに壊したんだ。
中学時代もこんなことが数多くあったはず。
少しだけ、藍川と桃井に同情した。
「福ちーん」
「へーへー」
紫原がゴールを壊すたび、それを直すのも勿論紫原。
だが、流石に巨人の紫原でも、ゴールには届きはするものの、それを直すには少し高さが足りない。
そのため、毎回、紫原が福井ちゃんを肩車して直すのだ。
「ったく…ホント気を付けろよ」
「えへへー」
「反省してんのかー?お前、今でこんなだろ?中学ん時はどんだけ壊したんだよ」
「えー?中学の時は一回も壊してないよー?」
……何、だと?
「はあ?そーなら、今だって壊すなよなー」
アッサリ流す福井ちゃん。
いやいやいや。
そこは流しちゃダメじゃん!!ちゃんと怒んなきゃ!!
「紫原!次壊したら、自費でリング買ってよね!!」
「あらら。枝ちん怒ってる」
「当たり前だろ」
プンスカ怒った私は、リングを直し終えた紫原に向かって、声を荒らげた。
が、それでも反省に色はゼロ。
福井ちゃんはもう慣れたのか、紫原を怒る気ナシ。
…何、このチーム!!
「枝尾」
「何ですか!」
怒りながらも、少なくなったドリンクを作り足しに行こうとした私に、雅子ちゃんが声を掛ける。
勢いのあまりに、私の声は荒らげたまま。