青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第6章 神様って
紫原はDFでは守護神、OFでは破壊神。
面倒臭がりの性格故、あまりOFには参加したがらないが、参加すればこのザマ。
「部費のやりくりする私の身にもなってよ…」
「枝尾。替えのリングはあるか?」
「部室にありますよ。昨日届いたばかりのが」
「悪いが取ってきてくれ。ついでに新しいリングの注文票も書いておけ」
「はーい」
こんな会話をする雅子ちゃんも頭が痛いようで、その頭を抱えながら溜め息をついた。
先週もこんな会話したんだっけな…。
紫原が入部してから三か月。
壊れたゴールの数は五つ。
毎回予備に。とリングを買うにもお金が掛かるわけで、だがお金が掛かるからと言って予備のリングを買わないわけにもいかない。
コイツがいる限り。
んで、その学校側から支給されるのと部員から集めた部費のやりくりは、マネージャーの私の仕事。
頭だけじゃなく、胃まで痛くなってくる。
「鈴佳ー。大変アルなー」
「がははっ!まぁた紫原がやりおったなー」
「……」
笑いながら言う劉とアゴリラ。
その二人に私は冷たい視線を送る。
「喋ってる暇があったら勉強しろよ」
「なんじゃ。冷たいのぉ…」
「岡村!劉!何を話しているんだ!!」
「「げっ」」
雅子ちゃんに怒られる二人を横目に、私は部室までリングを取りに行った。