青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第6章 神様って
*
――― ガコンっっバキっっ
ガコン?……バキ…?
五対五のゲームをしていた時のこと。
紫原がダンクを決めたと同時に、体育館に響く嫌な音。
ノートに色々と書き込んでいた私は、冷汗を流しながら、その音源を確認するべく顔をあげた。
「紫原ァ!これで何回目だ!!」
「やっちったー。てかゴールがボロいだけなんじゃなーい?」
「ふざけるな!取り替えたのは一週間前だ!!」
「あららー?そーだっけー?」
雅子ちゃんの怒声に対して、いつもながらに緩い紫原の声と全く反省していない顔。
その緩い紫原の手には、ボードから離れたリング。
私は痛くなる頭に手を当てながら、盛大に溜め息を吐いた。
「ちょっとぉ…勘弁してよ…」
「えへへーごめーん」
「鈴佳。これでアツシが壊したゴールは何個目だ?」
「五個目」
「アツシぃー…」
私と福井ちゃんは大きな溜め息。