青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第6章 神様って
私は前を歩く四人に置いて行かれないように、少し大股で歩いた。
「そーいや、お前らテストはどーだったんだ?」
「痛苦(うげっ)」
こちらを振り返り問う福井ちゃんに、劉は思わず中国語で苦い顔。
「私はセーフ」
「俺、学年三位ー」
「おー良かったな……って、は!?」
「紫原…お前、頭良かったのか?!」
「何その反応ー。皆して失礼すぎだからー」
いえ。
失礼とかそんなんじゃなく、多分アンタの成績を初めて聞いた人は皆そんなんだと思います、ハイ。
「ま…追試じゃねーならいいわ」
「そっちはどーなのー?」
今度は紫原が問いかける。
それに肩をビクッとさせたのは劉……とアゴリラ。
オイ、アンタもか。
「あーまー…仕方ねーだろ?劉は日本語苦手だし、コイツなんかゴリラなんだしよ」
「あー知能低いんだねー」
「紫原。今だけはやめたげて」
追試二人は何も言葉を発することができずに、只々紫原が実は頭が良かった。という現実を受け入れられていなかった。