青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第6章 神様って
「えーっとね。ごめんなさいって」
「「「「は?」」」」
いや、そのくらい分かるから。
懺悔=ごめんなさい。ってことくらい知ってるから。
え?何、馬鹿にしてんの?
「泣かせてごめんなさい、藍ちん。って」
「はあ?藍ちん?」
「誰アル」
「……」
多分、この中で「藍ちん」が誰なのかを知ってるのは、私だけだ。
現に、三人は「誰?」と聞き合っている。
…藍川華純、か。
別にあの子は神様じゃないんだけど。
「赤ちんを壊したこともごめんね。っても言ってるかなー」
「今度は赤ちん?」
「壊したって…オモチャか何かか?」
「日本語は難しいアル…」
今度は赤司征十郎。
壊したって…アンタら『キセキの世代』自体が既に人間としての欠陥品だろ、コラ。
特にお前。
「だからー…謝るし、俺が勝つから、その時はまた笑ってねー?って。そのくらいかなー」
「……」
紫原は、相当藍川のことが好きなんだろう。
私は紫原と同じ中学校の出身じゃないし、直接顔を合わせたのも、私が三年の時の全中決勝のみ。
だから、紫原と藍川の間に何があったのかも、紫原が赤司の何を壊したのかも、何も知らない。