青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第6章 神様って
*
「紫原。アンタ、神様って信じる方だったんだね」
ミサもHRも終わり、部活前。
体育館の片づけをしながら、私は紫原を茶化すようにして言った。
「へぇ…マジかよ」
「ほぉ。あの紫原がの…」
「意外すぎるアル」
それを聞いていたアゴリラ、福井ちゃん、劉はそれぞれ少し驚いた顔で紫原を見る。
「ホントなんだよ?さっき一生懸命に祈ってた」
「どーせ、アツシの祈りは『お菓子をいっぱい食べれますように』だろ」
「それ私も思った」
私が、一生懸命にお祈りをしている紫原を見た時と全く同じ感想を、福井ちゃんは言う。
いや、福井ちゃんだけじゃなくて、他の二人も同じことを思っているんだろう。
さて、紫原はどう返すか。
「神様って『お菓子いっぱい食べたいです』ってお願いしたら、叶えてくれんのー?」
「「「「は?」」」」
私たちは全員キョトンとした顔を浮かべた。
「じゃーこれからそーしよーっと」
驚き…というか、不可解…というか、戦慄…というか。
本当に「は?」「え?」みたいな私たちを余所に、紫原は言った。