青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第6章 神様って
「む、紫原が三位アル!!」
「嘘!?」
私が下から名前を探していると、上の方から探していた劉が声をあげる。
それにつられて私も劉の視線の先を見た。
「中学の時はー赤ちんとーミドチンとー藍ちんが常に上に居たんだけどねー」
「あ、アンタ頭いいの?!」
「だからそー言ってんじゃん」
「紫原に…負けたアル…」
ショックを隠せない劉。
いや、私だってショックだ。
思いっきり馬鹿だと思っていた紫原が、私たちの遥か上空に居たなんて…。
しかも、私の敵の藍川はそのまた上の存在だなんて…。
世の中はホントに不公平だ。
「なにー?劉ちんと枝ちんは赤点取ったのー?」
「いや…私はセーフなんだけど…その、劉が…」
「あーどんまーい」
ガックリと肩を落とした劉と、いまだショックから立ち直れない私を連れて、紫原は悠々と体育館へ向かった。