青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第5章 寂しそう
今回の源氏物語の内容は、葵の上の物語。
案外、自分ひとりで勉強するよりも、誰かに教えてる方が、理解しやすいこともある。
「テスト範囲はここまでだね。何かわかんなかったところある?」
「この人、最後は源氏と仲良くなれるアルか?」
テスト範囲までの解説が済んだところで、劉が私に問いかけた。
全然テストに関係ないけど…仕方ない。
なんせ相手は劉だ。
「ううん。最後は六条御息所の生霊に殺されるの。一応、死ぬ間際に源氏に素直な気持ちは伝えるけどね」
私が教科書を片づけながら、答えた。
「なんか…可哀想アル」
可哀想…なのかもしれない。
てか、劉が源氏物語に興味持つなんて、すっごく意外。
次の現代文の教科書を出しながら思った。
「源氏物語はこんな話ばっかだよ?ハッピーエンドなんてそうそうないし」
「そうアルか?」
「うん。源氏がタラシなのもあるけど、お互い好きなのに親が政敵だったり、とか。離れたくないのに離れなきゃいけない、とか。他にも、自分だけを見て欲しいのに見てくれなくて病んだり…とかね」
うろ覚えではあるが、源氏物語の内容で覚えているものをポツポツと言った。