青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第5章 寂しそう
「今大会の反省点だが…」
そして、IH予選終了の翌日の部活はミーティング。
面倒ではあるが、私もスコアを片手に参加中。
「枝尾。何かあるか?」
「は?」
「監督に向かって『は?』とはなんだ」
雅子ちゃんに突然話を振られた私は、驚きのあまりに目を見開いて「は?」とうっかり声を漏らす。
案の定、私は雅子ちゃんの愛刀で成敗を喰らった。
「ったぁ……反省点?何でマネージャーの私に聞くんですか」
これは尤もな反論だ、と思う。
桃井や藍川であれば当たり前のことなのかもしれない。
だが、私は枝尾。
情報収集もできなければ、その分析なんてやったこともない。
精々できるのは、情報操作で桃井たちを惑わすことくらい。
「第三者から見てどう思ったのか、など。些細なことでかまわん」
「些細なことって…」
「わしら選手では気づけんこともあるからの。枝尾から見てどうじゃった?気になることはなかったか?」
「あー…流石はゴリラ。何言ってんのかわかんない」
「枝尾ぉおお!!」
「うるさい」
アゴリラがガタッと立ち上がって叫ぶと、アゴリラは雅子ちゃんの愛刀で殴られた。
シクシクと泣きながら座るアゴリラを、隣に座っていた福井ちゃんが「だから諦めろって」と言いながら慰めていた。
…慰めてんの?