青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第5章 寂しそう
「そーいえば」
私も着替えるために、マネージャー室へ行こう。
そうした時、福井ちゃんは部室のドアに手を掛けながら、何か思い出したように言った。
「東京の方も決勝リーグ、もうすぐだろ?」
ああ、そう言えばそうだった。
どこが勝ち上がってくるのか…って、私、どこが決勝リーグに上がったのかさえ知らないわ。
「決勝リーグはどこが上がったんじゃ?」
「それがよ…今年は面白ぇんだぜ?」
福井ちゃんはいたずらっ子のような顔をアゴリラに見せる。
「桐皇と泉真館と鳴成…それと誠凛」
「は?!」
福井ちゃんの答えを聞いた私は、素っ頓狂な声をあげた。
私だけじゃない。
アゴリラも劉もだ。
ただ、紫原は知っていたのか、何一つ顔色を変えない。
「正邦と秀徳は!?三大王者、一つしか上がってないじゃん」
東京の三大王者…秀徳と正邦に泉真館。