青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第3章 キライだ
私からバスケも居場所も奪った『キセキの世代』。
恨むのは筋違いかもしれないが、兎に角憎くて憎くて仕方ないのだ。
「顔合わせ、今日だっけ?」
「入学式の後に片づけをして、その後アル。今日から練習にも参加するアルよ」
「そっか…」
「鈴佳」
窓の外を眺めながら、劉の話を聞いていると、急に名前を呼ばれ、私は視線を劉に戻した。
「今日はサボるの無しアル」
「嫌って言ったら?」
「引きずってでも連れていくアル」
監督命令アルよ。と付け加えられ、私はわざとらしく盛大な溜め息を漏らした。
「はいはい。わかりましたよー」
私が頬杖をつきながらやる気無さげに答えると、劉は一瞬眉間に皺を寄せるも、「わかってるならいいアル」とだけ言った。