青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第4章 痛いほど
思い返してみれば、あの手紙からだ。
劉が過保護になって、アゴリラも福井ちゃんも紫原も…あの雅子ちゃんまで、私に付いて回ってたのは。
「オイ!鈴佳いたか?!」
「うわ…何、この状況…」
「福…井ちゃ…むらさ…き…ばら…」
突然消えた私を心配したのか、福井ちゃんと紫原…その後方には雅子ちゃんまで駆け寄ってきていた。
「どういうことか説明してもらおうか」
顔が腫れあがり咳き込む私、今にも殴り掛かりそうなアゴリラに胸倉をつかまれた坂本さん。
この状況で何が起こったのか理解した雅子ちゃんは、低い声で言った。
「…枝尾が悪いんだよ。コイツが俺のポジションを奪ったから!!」
「坂本!!お前まだそんなことを!!」
「岡村!やめろ!!」
右手を大きく振りかざしたアゴリラの手を止めたのは福井ちゃん。
「離せ、福井。コイツは一回殴らんと気が済まん」
「だ……め…」
「鈴佳?」
必死に声を絞り出した。