• テキストサイズ

青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】

第4章 痛いほど




うっすら目を開けてその声のする方を見ると、劉がこちらに向かって走ってきていた。


「りゅ…っ」

「坂本!!お前、枝尾に何しとんじゃ!!」


劉の後ろから姿が見えたのはアゴリラ。

うん、この状況でも彼をアゴリラなんて呼ぶのはどうかと思うけど…。

アゴリラは私の上に跨る坂本さんの胸倉をつかんで、そのまま私から引き離した。


「ゲホッ……ゲホッゲホッ…」

「鈴佳!大丈夫アルか!?顔が真っ赤アル!」


一気に空気が肺に入り込んだ気持ち悪さに、私は思いっきり咳き込んだ。

劉は慌てて駆け寄り、私の背中を擦ってくれる。


「だい…じょ……ぶ…っ」


掠れ掠れの声で何とか言葉を繋ぐと、劉はホッと胸を撫で下ろし、鋭い目を坂本さんに向けた。


「お前アルな!鈴佳の靴箱に変な手紙を入れたのは!」


…手紙?


「『お前のせいで俺は奪われた』って、自分の弱さを鈴佳のせいにするな!」


劉は怒りを露わにして言った。

私の靴箱…手紙…。

もしかして。

あの時、劉が私から取り上げたラブレター(仮)のこと?

/ 463ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp