青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第21章 側にいて
と、必死になって紫原の前を跳ぶ私の背中は、一つの温もりに包まれた。
「劉?」
「皆してワタシの鈴佳をいじめないで欲しいアル」
「!」
ワタシの鈴佳。
そんなたった一言で、私の顔は真っ赤になってしまう。
よくそんな恥ずかしいセリフをコイツらの前で言えるモンだ。
「ふーん…」
「ほぅ…」
「へぇ…」
「言うじゃねーか」
案の定。
顔を真っ赤にした私を余所に、目の前に立つ巨人やゴリラ、涼しい顔のイケメンにいたずらっ子はニヤニヤとした笑みを浮かべる。
「今日から鈴佳はワタシのアル。手出ししたらただじゃおかないアルよ?」
「りゅ、劉!!」
顔を真っ赤にしながらも、私は劉の手をしっかりと握った。
今日も。
大事な仲間たちに囲まれて、大切な人の側に居て。
とても平和で、幸せな一日でした。
そして、その後一週間。
この場に居る四人だけでなく、バスケ部一同、学校中からの冷やかしの的になったことは言うまでもない。