青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第21章 側にいて
私は両手で顔を覆い、劉に背を向けて俯いた。
「鈴佳。こっち向くアル」
いつまでたっても顔を両手で覆ったままの私の肩を掴み、劉は強制的に自分の方へ私を向き直させる。
そして、私の手を掴んでは、それを私の顔から引き離す。
「わぁぁ…ごめんごめんごめん!!劉のご両親だって知らなくて…謝るから!見ないで!!」
「どうしてアルか?」
「今すっごい不細工だから!!」
こんな顔見られたら、恥ずかしすぎて死んじゃう…!
なのに、劉は低い位置にある嫌がる私の顔を覗き込んだ。
「やだってば…」
「そんなに嫌がることじゃないアル。鈴佳はそのままでも十分可愛いアル」
「そんなワケ…」
ないじゃん。と言おうとした私の言葉は続かなかった。
劉が私の唇を塞いだからだ。
先程私がそうしたように、自分の唇で。