青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第21章 側にいて
………は?
「ワタシの父と母」…?父と母……?
って、ことは…えーっと…。
「え!?」
りゅ、劉のお父さんとお母さん!?
私はバッと、その劉のお父さんとお母さんを見た。
言われてみれば、似てないこともない。
特に目元なんかは、お父さんにソックリだ。
って…やっべぇ……私ってば、劉のご両親の目の前で…。
「に、にーはお……」
自分がつい先ほどやってしまった過ちに、羞恥心が掻き立てられる。
間違いなく顔は真っ赤だ。
止まりそうな思考の中、私は引き攣る顔で、唯一知ってる中国語を口にしていた。
「日本に夫婦旅行に来たついでに、ワタシの顔を見に来たらしいアル」
あっけらかんとして、劉は言う。
え…来客って…劉のご両親だったワケ!?
「で、でも!劉、留学期間終わっちゃったんでしょ?!だから、中国から連れ戻しに向こうの人が迎えに来てるって…」
「何言ってるアルか。留学期間なんて終わってないアル。卒業までは陽泉に居るアルよ」
まだその先のことは決めてないけど。と劉は付け加える。