青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第21章 側にいて
まだ間に合う?
無理でしょ…だって、留学期間終わってるんでしょ?
止められるワケないじゃん…。
「枝尾!早くせんと、行ってしまうぞ!?」
アゴリラも息を荒くして言う。
「無理でしょ…私に止めれるワケないじゃん…」
「枝尾!」
「ただのマネージャーの私にどーしろって言うの?留学期間は終わってんでしょ?帰らなきゃいけないんでしょ?だったら…」
行って欲しくない。
だけど、劉は行かなきゃいけない。
最初からそう決められていたんだから。
だったら、私に止める権限なんてない。
私はただのマネージャーで、クラスメイトで…ただの友だちでしかないんだから。
「鈴佳…いいのかい?このまま劉が中国へ帰ってしまっても」
「……」
氷室も心配そうに私の顔を覗き込みながら問いかける。
いいワケないじゃん。
でも、だからって。
私にはどーすることもできないじゃん。
私は、自分の気持ちにしっかりと蓋をしながら黙り込んだ。