青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第21章 側にいて
画面を同時に見た二人は、これまた同時に「おぉー…」と感嘆の声を漏らして、顔を見合わせる。
「何?二人してどーしたの?」
偶然にしては不自然な二人の一連の流れに、私は首を傾げた。
「いや、何でもないよ」
「そう?」
「そーそー。枝ちんは気にしないでいーよー」
「ふーん…」
差出人が同じだった、とかそーゆーことかな?
もしかしたら、二人の共通の知り合いの火神や黒子、虹村や藍川とかからのメールなのかもしれない。
なんてことも考えつつ、私は視線をスコアブックに戻した。
「オイ!鈴佳は居るか!?」
メールの返信をしている二人を余所に、黙々と私が明日以降の練習メニューを組んでいると、勢いよく教室のドアが開けられた。
開けた張本人は、受験で東京から秋田へ帰ってきたばかりの福井ちゃん。
後ろにはアゴリラも居た。
「私ならここだけど…どーしたの、そんな息切らして」
走ってきたのか、ゼェゼェ…と肩で息をする二人。
私の姿を確認すると、福井ちゃんが私の目の前まで駆け寄ってくる。
「大変なんだよ!」
「大変って…何が?」
「劉が!!」
「劉が?」
劉が?何なんだ。