青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第21章 側にいて
そして、最後に教室に残ったのは、私、氷室、紫原、雅子ちゃんの四人。
「お前たちはまだ残るのか?」
残った私たちに、雅子ちゃんは問いかける。
「んー。もう少し反省点を見たいかなー。いい?」
「!そうか。氷室、戸締りだけはしっかりしておくんだぞ?」
「分かりました」
紫原の返答に雅子ちゃんは少しだけ面食らった顔をしたが、すぐに嬉しそうに口元を緩ませて教室を後にした。
残った私たち三人は、大会中のスコアブックや映像を見比べながら、「もうちょっとここで…」「ここは良かった」なんて言いあう。
三人でミーティングの続きを始めて、少し経った時。
二人の携帯が同時に鳴り響いた。
振動の時間が短かったことから、多分メールだ。
「二人揃ってメール受信とか…アンタらどんだけ仲いいワケ?」
「偶々だよ」
私が茶化して言うと、氷室はははっと笑って携帯をポケットから取り出した。
紫原も同様に携帯を取り出し、メールの内容を確認する。