青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第21章 側にいて
その時。
バスケ部がミーティングに使っていた教室のドアが開けられた。
「ミーティング中にすみません。劉は居ますか?」
ドアから顔を出したのは、教頭先生。
雅子ちゃんは、教頭先生に指名された劉を指しながら答えた。
「ここに居ますが。劉に何か用ですか?」
「ええ。劉に来客です」
劉に来客…?留学生の劉に?
そう思ったのは私だけではなかったはず。
部員一同。首を傾げたり、怪訝そうに眉間に皺を寄せる。
「そうですか。劉、行け」
「分かりました」
劉は何の疑いもなく…と言うよりも、分かっていたように席を立って教室を出て行った。
その教室を去っていくその背中を見つめながら、私は少しの不安を覚えた。
「劉も行ってしまったし、反省も一段落したところだ。今日はこれで解散としよう」
「「「お疲れっした!!」」」
スタメンの劉が外したことと、一通りの反省が終了したことで、今日はここで解散。
雅子ちゃんに言われた部員たちはぞろぞろと教室を出て行った。