青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第4章 痛いほど
坂本さんが漸く手を離してくれたのは、古い校舎の影まで来たところ。
「話って何?手短にお願いね」
「……」
私が腕を組みながら言うと、坂本さんはこちらに振り返った。
その表情は、先程までのものとは全く異なる…憎悪に満ちたもの。
「…お前……からだ」
「は?何?」
あまりにも小さすぎる声に、私は耳に手を当て、聞き返す。
「お前が…!お前が岡村をPFにする、なんて言うからだ!!」
「きゃっっ!!」
ドンと強く押され、私はバランスを崩して地面に倒れ込んだ。
…は?何これ。
普通女の子に対して、渾身の力出します?
私を押したコイツを睨み上げようと、顔をあげると、すぐ目の前には大きな拳があった。
―― バチンっっ
…は?
いや、マジで。は?え?
私、今…殴られた?
ビンタとかじゃなくて?え?
グーで殴られた?