青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第20章 流れ星に
*
地獄の練習も終え、寮に帰宅。
お風呂にも入ったし、もう寝るだけの午後十一時ちょっと前。
携帯を弄りながら、ベッドに腰を下ろした私は、ふと福井ちゃんが言っていたことを思い出した。
「あ…そー言えば、流星群見えるんだっけ?」
時間を確認してみれば、ちょうどピークを迎える時間帯。
折角だし、二人の合格祈願もしないといけないし。
と言うことで、私は窓を開けた。
「うっわ…さっむぅ…」
暖房の効いた部屋の中に、一気に冷たい風が吹き込む。
寒さに耐えながら空を見上げるが、普通の星空が広がっているだけ。
流れ星なんて、一つも流れてこない。
「まだかな…」
そろそろのはずなんだけど。
と、その時。
私の携帯が鳴り響いた。
着信相手は、劉。
…どうせ。「流星群見てるアルか?」とか、そんなことだろう。と思い、私は通話ボタンを押した。
「もしもし?流星群なら見てるよ?」
『鈴佳。下を見るアル』
「は?下?」
劉?流星群ってのは、空に流れるモノなんだよ?
何で下?
とは思いつつも、私は言われた通りに、下を見た。