青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第20章 流れ星に
流星群か…。
滅多にない機会だけど、この極寒の中わざわざ見たいとは思わない。
それに十一時なんて、寮の門限も過ぎている時間帯だ。
見るとしても、一人寂しく部屋の窓から見るしかない。
「もし覚えてたら見ますね」
「ついでに福井ちゃんとアゴリラの合格祈願でもしといてあげるよ」
「どうせ鈴佳のことだから忘れてるアル」
「俺も劉ちんと同感ー」
「え?何だって?そんなに走り込みを増やして欲しいって?」
「うわー…枝ちんが雅子ちん化してんだけどー」
わあわあ…と言い合いをしながら、私たちは部活へと向かう。
礼儀正しい氷室は、きちんと三年生二人に頭を下げることも忘れてなかった。
そんな私たちを寂しくも、微笑ましく、引退した二人は見ていた。