青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第20章 流れ星に
それを見た私は、さらに笑ってしまう。
笑ったのは私だけじゃない。
後ろに付いてきていた、引退した二人もだ。
「ご愁傷さま」
「しっかりやるんじゃぞ?」
「他人事だと思ってんでしょー?」
「俺らはもう引退したからな」
お腹が…なんて言いながら、腹部を押えていた紫原が、笑う二人を睨みながら言うと、福井ちゃんがさらに笑って答える。
「もー俺も早く引退したいしー」
「あれー?紫原君ってば、負けたまま引退してもいいワケー?」
ふざけたことを抜かす紫原に、私は軽く挑発するように言った。
「むっ…引退なんてまだまだ先だし!俺より先に枝ちんたちが引退だし!」
ムキになって言い返す紫原を、私はクスッと笑った。
ホント…こーゆーとこは子どもだな、なんて思う。
「ほーら。そこの主将さんと副主将さんも。どうせ逃げらんないんだし、早く行ってさっさと終わらせるよ」
「自分は走らないからって暢気アル…」
「私だって、極寒の中でアンタらのタイム計ってんだから。ほらほら、行くよ!」
私はそう言いながら、現部員三人の背中を押す。