青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第20章 流れ星に
秋田の雪は一向に溶けることなく、例年通りに降り積もる。
だが、今日は久しぶりに太陽が雲間から顔を出してた。
「劉、枝尾」
HRが終わり、氷室は紫原を迎えに、私と劉は並んで部活へ向かっていた。
すると、後ろから我らが監督・雅子ちゃんが低い声で私たちを呼び止めた。
「監督。どーしたんで……」
振り返った私が、何の用件か。と雅子ちゃんに問いかけようとした。
が、雅子ちゃんの顔を見た瞬間に、言葉が続かなかった。
隣の劉も嫌な予感がしたのだろう、固まっている。
「昨日の練習試合。覚えてるよな?」
「「……」」
雅子ちゃんが言うと、劉はあからさまに顔を反らし、私はそんな劉を見上げる。
昨日の練習試合。
三年生が引退して、初の他校との試合だった。
新チーム成り立て。と言うこともあったのだが、陽泉にしては珍しく全国レベルでないチームに苦戦。