青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第19章 蓋をした
だから、私にどーしろと。
とりあえず。そろそろ酔いそうだから揺らすのやめろ。
「だって…藍ちん。自分ばっか責めて…全部自分一人で背負おうってするから…ホントは行きたくないはずなのに…」
「……」
紫原は。
その例の黒子の誕生日会の時に、藍川に気持ちを伝えたと言う。
そして、キッパリと振られたらしい。
氷室から聞いた。
振られこそしたが、紫原は結果は分かってたらしく、寧ろスッキリしたと言っていた。
だから。今でも好きではあるのだろうが…。
純粋に。今の紫原は、ただ、藍川の幸せを願っているように。
少なくとも私にはそう見えている。
「はぁ…」
この目の前で項垂れる悩める巨人。
基、可愛い後輩。
私は溜め息をついて、口を開いた。
「藍川が自分で決めたことなんでしょ?それを止めて、アンタはどーしたいワケ?」
「……赤ちんと幸せになって欲しい」
「日本に残って、赤司とくっつけば。藍川はそれで幸せなの?」
「分かんない」
分かんないって、アンタねぇ…。
つか、何で私は嫌いな藍川のためにここまで頭を悩ませてあげてるのか。
不愉快だ。
私だけじゃなく、うちの可愛い後輩のことも悩ませてんじゃないぞ、小娘が。