青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第19章 蓋をした
*
日々は流れ、二月に入った。
「枝ちーん!!」
そして、コイツは今日も私の名前を呼びながら体育館へ入ってきた。
コイツが私を呼びながら寄ってくる時は、ロクなことがない。
「はぁ…今度は何?」
「藍ちんがイギリスに行っちゃうって!俺、どーしよ!!」
「はあ?」
いきなりそんなことを言われて、私にどーしろと。
言ってる意味も全く理解できない。
私は思いっきり眉間に皺を寄せて紫原を見上げる。
「何?『キセキの世代』たちで旅行にでも行くワケ?言っとくけど、アンタこの間もそれで部活休んでるんだから、もう当分休むのは…」
「違うよ!」
先月末…つい先日に紫原は、「久しぶりに帝光メンバーで集まって、黒子の誕生日会をするから」と言うことで、帰省していた。
その間、勿論部活は欠席。
それがあったにもかかわらず、また部活を休む…それも旅行のため。となれば、私ももう黙ってない。