青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第19章 蓋をした
*
その日の帰り道。
私たちはいつものようにコンビニに寄って寮へ帰る。
ただ以前と違うのは、ここに居る全員が寮生であること…前より一緒に帰るメンバーが減ったことだ。
「紫原ー。今日はお菓子買ってあげるよ」
「!?」
コンビニに着き、お菓子コーナーでいつものように籠に大量のお菓子を放り込む紫原に言う。
一方。言われた本人は、私の方をバッと振り返っては、これでもかと言うほどに目を見開いて驚く。
「枝ちん?どーしたの…俺、何かした?」
私がお菓子を買ってあげるなんて、珍しすぎる。
と言うより、初めての出来事で、紫原は自分が私に何かしてしまったのか…と顔を歪ませる。
「んー…何となく。偶には可愛い後輩に奢ってあげるのも悪くないかなーって」
「逆に怖いんだけど」
「んなこと言ってると、買ってあげないからね」
「嘘!嘘です!」
少し慌てた紫原を笑うと、紫原も先程までの顔とは一転。
嬉しそうにルンルンとした様子で、どんどんと籠にお菓子を入れていく。
どんどん…どんどん…どんど……ん?
…あらら?
なんか…多くね?