青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第19章 蓋をした
そんな中、劉が一人、私の元に残り小さな声で耳打ちをした。
「紫原…本当は氷室が他のチームのマネージャーと仲良くしてるのが許せなかっただけアルよ」
「?…どーゆーこと?」
劉が言っている意味が分からず、私は目を細める。
「『俺たちには枝ちんが居んのに、他のチームのマネージャーの…それも藍ちんと仲良くするなんて信じらんない!』って、さっきまで喚いてたアル」
「!」
目を見開いて驚く私の顔を見た劉は、ニヤニヤとした顔を見せてからコートの中へ駆けて行った。
「あ、あの紫原が…」
自分が想いを寄せる藍川と、内密に仲良くしていたことに怒っていたのはホントなんだろう。
それに加えて、私のことまで…。
あんな自分至上主義だった紫原が……人間って成長するモノなんですね。
「仕方ないな…今日の帰りにお菓子でも買ってあげるか」
可愛い後輩の可愛い言動。
私は、少しニヤけてしまう口元を抑えた。