青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第19章 蓋をした
私は紫原を横目に見ながら屈んで練習開始の準備を再開しつつ言った。
「今のを聞いて、自分が悪いって思ったんなら素直に謝っときな」
「……」
タオルとドリンクを用意しながら私は言い放つ。
それを聞いた紫原も黙り込んでは、氷室の方を見た。
「ごめん、室ちん」
あら、珍しい。
今までなら、いくら私たちが言おうともコイツが誰かに謝るなんてことは絶対有り得なかったのに。
…それだけ紫原も変わったんだろう。ってことにしておこう。
紫原が謝ると、氷室は笑って「いいんだよ」と答えていた。
「さあ、練習を始めようか」
氷室が部員たちに声を掛けて、全員がコートの中へ入っていく。