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青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】

第4章 痛いほど






「あれ?」

「どーしたアル」


今日はIH県予選前の最後の練習試合。

「明日来なければ命はないと思え」と昨日雅子ちゃんに脅された私は、渋々ながらも顔を出していた。

部員がアップをしている中、私が劉のお守り付でドリンクを作っていると、問題が発生。


「ドリンクの粉。忘れた」

「はあ?」


一秒でも早く帰ろう、と昨日の部活終了後に適当な準備をしたのが間違いだった。

まさかここで重要なものを忘れるとは…不覚。

このままでは、今日の練習試合は水オンリーで全員過ごさなくてはならない。


「何してるアル」

「へへっごめん」


てへっとした仕草を見せてみるが、劉に「可愛くないアル」とバッサリ切られた。

にしても、本当にどうしようか。

今からコンビニに買いに行っても試合開始には間に合わないし。


「対戦校から貰ってもいいかな?」

「ワタシに聞かれても知らないアル」

「ですよねー」


はぁ…と溜め息を漏らし、私はドリンク籠をそのまま置いて立ち上がる。


「劉もアップ始めてなよ。私、向こうのマネージャーにドリンク粉末貰ってくるし」

「鈴佳が一人になるアル」

「私、子どもじゃないから」


私が何を言っても、「鈴佳から離れないアル」と言って聞かない劉。

お前こそ我が儘真っ盛りの子どもか。

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