青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第19章 蓋をした
まず、主将を反逆者呼ばわりして、追放なんて出来るか。
先代主将のアゴリラの時でも、流石にそれだけはやってねーわ。
「…さっき部室で氷室が誰かとずっと電話をしてて、その相手が藍川だっただけアル」
威嚇する紫原と困った顔でそれを見る氷室、意味が分からず呆然とする私。
そんな私に劉がコソッと耳打ちをした。
なるほど…そーゆーことか。
「別におかしなことじゃないでしょ。氷室は向こうで虹村と仲良かったんだし…その従妹の藍川と接点があっても別に…」
「俺聞いてねーもん!」
「一々アンタに報告しないといけないのか」
「心狭っっ」と私が言うと、紫原は口を尖らせていじけた顔になる。
それを見た私は「はぁ…」と一つ溜め息をつく。
「紫原ぁ。アンタが藍川のこと好きなのはよーく知ってるけど…別にアンタには藍川の交友関係に口出す権利なんてないじゃん。そもそも、藍川が氷室に『紫原には言うな』って言ってたんじゃないの?」
「何で?」
「藍川はアンタの性格も、アンタが自分を好きだってことも知ってるんでしょ?だからアンタが今みたいになることも想定済みだったんじゃない?」
ただの憶測にすぎないけど。
紫原と長年の付き合いであり、頭の回転の速い藍川のことだ。
それくらい容易に想像つくんだろう。