青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第19章 蓋をした
*
「枝ちーん!!」
年も明け、新チーム体制になってから一週間。
体育館へ入ってくるなり、私の名前を呼びながら何やら喚いているのは紫原。
「うっさいなぁ…何?お菓子なら今は持ってないよ」
「ちげーし!反逆者!反逆者が居んの!!」
「はあ?」
一体何の話?
いきなり「反逆者が居る!」なんて言われても、誰が反逆者なのかも一体何の反逆者なのかも、さっぱり分からない。
私は紫原を訝しげに見た。
「アツシ。だから違うと言ってるだろ?」
溜め息をつきながら紫原の後ろに続いてきたのは氷室。
その隣には劉も居る。
この流れからすると、紫原の言う反逆者は氷室なんだろうけど…何で氷室が反逆者?
「だって俺!室ちんと藍ちんが知り合いとか聞いてねーし!つか、電話するほどの仲だとか知んねーし!」
「だからそれは…」
「言い訳なんて聞きたくない!枝ちん、反逆者だよ!!追放!追放!」
「……」
目の前で繰り広げられる仁義なき言い争い。
私はワケが分からず、ただ目を半眼にしてその様子を見ていた。