青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第19章 蓋をした
氷室が項垂れている理由は、なまはげになったことと、あの氷室がお面で顔が分からないとは言え、子どもたちに散々泣かれたこと。
見ているこちらとしては、なかなか面白かった。
「鈴佳…笑ったら可哀想アル」
「わ、笑ってないし!」
「大体、鈴佳が氷室に司会を譲ったらこんなことにはならなかったアルよ」
「はあ?あのねぇ…私はこれでも女の子なワケ。何が悲しくてなまはげなんてやんなきゃいけないの」
項垂れる次期主将を横目に、私と劉は小声で言い合う。
「ほらほら…劉と鈴佳は喧嘩始めんなよ…」
「「喧嘩じゃない!」アル」
私と劉の様子を見ていた福井ちゃんが溜め息交じりに言った。
それに対して私たちは声を合わせて反論。
綺麗にハモッたことが少しおかしくて、私と劉は顔を見合わせて笑いあう。