青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第19章 蓋をした
WCが終了した。
優勝は誠凛高校、準優勝は洛山高校、三位に秀徳高校。
私たち陽泉はベスト8という結果だった。
最終日の決勝が終わった後、陽泉高校バスケ部一同は即座に秋田に帰った。
理由は単位取得のための…お約束、保育園の年末お楽しみ会でなまはげになるためだ。
心底やりたくない女の子の私と、なまはげになるなんてプライドが許さないであろう氷室は、当日に司会の座を賭けて勝負(じゃんけん)。
見事勝ち取った私は、いずれ黒歴史に残るであろう事態を避けた。
年末お楽しみ会も無事終了し、その日のうちに三年生は引退を迎えた。
「主将は…氷室に任せる」
「頼むぞ、氷室……って、氷室?」
簡易ではあるが、引退式の最後。
アゴリラが次期主将に氷室を指名するが、その氷室は今現在、頭を抱えて項垂れている。
項垂れている理由が、主将が嫌だとか、そんなんじゃないことは明白だ。
「室ちん、今ダメー。さっきのショックがデカすぎて意識戻ってないからー」
福井ちゃんの呼び掛けに答えない氷室の代わりに、隣に座っていた紫原が答える。