青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第18章 良かった
「よう」
騒がしい私たちを余所に、紫原の隣に並びながら小声で話し始めるのは青峰。
「開会式の時に会ったばっかなのに、随分久しぶりな気がすんな」
「……だねぇー…」
そんな二人をどこか不安そうに見ているのは桃井。
「そーいや、一人居なくね?なんか片目隠れた…」
「あー室ちん?…なんか用事があるから少し遅れるんだってー」
いまだ騒いでいる前方の私たちの後ろ…帝光出身の三人だけは、空気が重いように感じた。
「ねー峰ちん」
「あ?」
「どっちが勝つと思う?」
「んだそれ。三決の話か?決勝の話か?」
「両方ー…」
「三決はもう決まってんだろ。アイツが欠場しちまったら、気合でどーこーなる問題じゃねーし……決勝は知んねーよ。だから見届けに来たんだろ」
前を向きながら、紫原と青峰の話に耳を傾けていた。