青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第18章 良かった
「そ、そー言えば…今日はどこが勝ち残ったワケ?」
話を逸らそう、と私は話題を変える。
まぁ…何となくの予想は付いてるんだけども。
「洛山と誠凛アル。さっき氷室が言ってたアル」
「そっか…」
やっぱりね。と心の中で呟く。
明日の決勝…真以外の『無冠の五将』が全員揃う。
優勢なのは、どう考えても洛山だ。
なんせ、『無冠の五将』の玲央、小太郎、永吉に『キセキの世代』主将の赤司、天才マネージャーの藍川が居るのだから。
「…どっちが勝つ、かな」
「さあ?鈴佳はどっちに勝ってほしいアルか?」
どっちに、か。
仲がいい人が多いのは洛山だし、強いと分かりきってるのも洛山。
「洛山には玲央たちが居るけど…」
それに加え、誠凛にはそこまで好き好まない黒子に火神、鉄平が居る。
それ故、誠凛のことは別に好きじゃないし、仲も宜しくないけど。
「私は…誠凛に勝ってほしいかな…」
あの真っ直ぐで折れない心。
最後まで貫いてほしいなぁ…なんて、柄にもないことを思うのは。
きっと、私が大事なモノに気づいたからなんだろう。