青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第18章 良かった
それから兄貴とは、お互いの今までのことやこれからのことを話した。
そして、夕方に差し掛かる前。
私は宿泊先に帰ることに。
「たまには実家にも帰ってこいよ」
「うん。だけど…まだ少しは無理かも」
「そうか。マネージャー頑張れよ」
「うん。兄貴も、卒論頑張れ」
「おう」
今日…ここに、兄貴に会いに来て良かった。
「じゃあね」と兄に背中を向けて歩き出した時。
兄に、「鈴佳」と呼び止められる。
「鈴佳は…バスケ、好きか?」
「え…?」
「今の。陽泉のチームは好きか?」
今までだったら、ハッキリと「嫌いだ」と答えていただろう。
でも…今は違う。
自分の正直な気持ちが分かる。
私は作らない、屈託のない笑みで兄に答えた。
「うん!好きだよ!」
ちゃんと話せて良かった。
もう。私はちゃんと、陽泉高校バスケ部のマネージャーとして、前を向ける。
ちょっとクサいかもしれないけど。
確かに、そう思った。