青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第18章 良かった
二人で公園?バスケ?シュート…?
………あ。
あぁぁああ!!
「あの時の!?」
「おお、思い出したか」
「思い出したか、じゃねーわ!何が『デロッデロに誉めて可愛がった』だよ!一発でシュート決めた私に嫉妬して、思いっきり殴ってただけじゃん!!」
「人聞き悪いな」
思い出した。
小さい頃。バスケすると言う兄に付いて、よく公園に行っていた。
いつもはただ兄がシュートしたりドリブルしたりするのを見てるだけだったが、どうしても自分もやりたくなり、ボールを貸してもらった。
私の人生における初投球。
見事にリングをくぐった私のシュート。
兄はそんな私の頭を思いっきり殴った。
「殴ってねーよ。撫でたんだよ」
「いーや。あれは殴ったね。あれで私、兄貴と公園行くの嫌になったもん」
「…そうだとしてもだ。暗くなって怖くて帰れないっつー鈴佳を迎えに行って、おぶって帰ってやったのは誰だ」
「それは…兄貴だけど…兄貴とのいい思い出、それしかないから!」
「かっわいくねー奴」
初めての兄妹喧嘩…とまではいかないけど、言い合い。
それも、少しの間睨み合ってからお互いにクスクスと笑いだす。
ああ、本当に。
この人は私の兄貴なんだな…と実感した。