青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第18章 良かった
なんだ…私の勘違いだったんだ…。
今まで「これ以上兄貴に嫌われないように」って、ちゃんと会話をしなかったのが悪かったのかもしれない。
小さい頃からの少しのすれ違いが、四年も会わないまでに大きくなってしまっていたのだから。
もっと早く。ちゃんと向き合っていればなぁ…。
一度止まった私の涙は、再び頬を伝った。
「…ホンットよく泣くな、鈴佳は」
「…うる…さい…」
俯きながら小さく言った私に、兄貴は「ははっ」と笑う。
あ…なんだか、こんな風に笑いながら頭を撫でてくれるの…懐かしい感じがする。
「小さい頃…小さい頃も、頭撫でてくれた?」
私が少し顔をあげて問いかける。
兄は少し斜め上を見上げながら、思い出すようにして答えた。
「撫でてたんじゃね?ほら…二人で公園にバスケしに行ってただろ?つっても鈴佳が勝手に付いてきただけだったけど」
「オイ」
「ははっそう怒んなよ。まー…んで、鈴佳も俺のボール借りてシュート打って…入った時はデロッデロに誉めて可愛がったつもりだけど?」
「……」
私は小さい時の記憶を思い浮かべる。