• テキストサイズ

青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】

第18章 良かった




なんだ…私の勘違いだったんだ…。

今まで「これ以上兄貴に嫌われないように」って、ちゃんと会話をしなかったのが悪かったのかもしれない。

小さい頃からの少しのすれ違いが、四年も会わないまでに大きくなってしまっていたのだから。

もっと早く。ちゃんと向き合っていればなぁ…。

一度止まった私の涙は、再び頬を伝った。


「…ホンットよく泣くな、鈴佳は」

「…うる…さい…」


俯きながら小さく言った私に、兄貴は「ははっ」と笑う。

あ…なんだか、こんな風に笑いながら頭を撫でてくれるの…懐かしい感じがする。


「小さい頃…小さい頃も、頭撫でてくれた?」


私が少し顔をあげて問いかける。

兄は少し斜め上を見上げながら、思い出すようにして答えた。


「撫でてたんじゃね?ほら…二人で公園にバスケしに行ってただろ?つっても鈴佳が勝手に付いてきただけだったけど」

「オイ」

「ははっそう怒んなよ。まー…んで、鈴佳も俺のボール借りてシュート打って…入った時はデロッデロに誉めて可愛がったつもりだけど?」

「……」


私は小さい時の記憶を思い浮かべる。

/ 463ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp