青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第18章 良かった
…は?愛情表現…?
今、兄貴の口から「愛情表現」なんて言葉が出た?
「で、でも!私が月バス載った時も無視した!!」
「あの時は大学受験あったし、既に『女王』の鈴佳が出来上がってたからな」
そりゃ、無視もしたくなるわ。と付け加える兄。
兄曰く、『女王』の私は兎に角ギスギスしていて、「ホントにバスケ好きなのか?コイツ」と思うほど。
目の前の敵を見ているようで見ておらず。
私が一体何を、誰を見ていてバスケに打ち込んでいるのか…分からないほどだったらしい。
…全く自覚なかった。
少なくとも桃井と藍川が頭角を出し始めるまでは、そんなことないと思ってたのに。
「…じゃあ、兄貴は私のこと嫌いじゃないの?」
「だから、そー言ってんだろ」
「妹として認めてくれてんの?」
「認めるも何も、妹だろ」
「私のこと…誉めてくれんの?」
「…ああ、昨日はよく頑張ってたと思うよ。偉い。鈴佳は俺の自慢の妹だ」
そう言いながら、兄は私の頭を撫でてくれる。