青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第18章 良かった
涙ながらに私が伝えると、兄は何故かキョトンとした顔を浮かべる。
「はあ?何言ってんだ、お前」
「え゛?」
「誰がいつお前のこと嫌いだっつった?」
い、言われてはないけど…言ってたようなモンじゃん!!
兄の衝撃的な一言のお蔭で涙は止まったが、今度は鼻水が出てきた。
鼻が垂れ始めた私に、兄はティッシュを出して「とりあえず鼻かめ」と言う。
チーンと鼻を思いっきり噛んで、私はいまだ「何言ってんだ?」と言う顔の兄を睨む。
「言ってないけど!ズビッ…態度がそう言ってるようなモンだったじゃん!!」
「そうかぁ?俺はそんなつもり微塵もなかったけど?寧ろ鈴佳の方が嫌ってたじゃねーか」
「それは兄貴が意地悪ばっかするから!ズズッ」
「いいから、鼻かめ。ほら、チーン」
差し出されたティッシュに盛大に鼻水を出してやった。
兄には「加減しろよ…」と少し嫌な顔をされたけど。
「兄貴は…何でもできるから…出来の悪い私が妹なのが嫌だったんでしょ!?」
だからいつも構ってくれなかった。
一切誉めてくれなかった、話してくれなかった。
「お前…んなこと思ってたのか?馬鹿か?…あ、馬鹿か」
「何だと!?」
「意地悪してたのだって、ただの愛情表現だろ」
「は!?」