青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第18章 良かった
あ、あの兄貴が…私に「頑張ったな」!?
きっと私は今、とてつもない阿呆顔をしているのだと思う。
「今まで、鈴佳がマネージャーしてるトコは何度か見たことあったけど…正直、どれも『マネージャー』って感じじゃなかった。『女王』の異名のままって感じだったな」
「……」
「でも、昨日はなんか違った。『ああ、コイツ。ちゃんと陽泉のマネージャー出来てんじゃん』って思った」
『女王』の異名のまま。
きっと兄は中学の頃の話も含めて言ってるんだろう。
「だからそんなになるまで泣いたんだろ?陽泉のマネージャーとして、チームが負けたことが悔しかったから」
「そう…かもしんない」
泣いたのは、劉に言われたこともある。
だけど。
本当は、陽泉が負けたことが一番悔しかったからなのかもしれない。
今までは、試合で負けたって何にも思わなかったのに。
「鈴佳はちゃんと陽泉の、チームの一員になれたんじゃねーの?」
「今までは…違った?」
「俺が見る限りな。あの…何だ?鈴佳の一個下の…『キセキの世代』だったか?アイツらみたいに、一人で戦ってるように見えた」
「そっか…」
あながち間違ってないのかもしれない。