青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第18章 良かった
そして、クルリと私に背を向けて「付いて来い」と言って、兄は大学の中へ入っていった。
寒いし、ここに残っても仕方ないので、私も兄を追いかけた。
「…兄貴。なんか、縮んだ?」
「何でだよ。寧ろ伸びた。鈴佳がそれ以上に伸びただけだろ」
「あ、そっか」
最後にまともに会ったのは、もう四年も前のこと。
あの時は遥か上にあるように感じていた兄の顔が、少し近くなっているように思う。
それだけ私の身長が伸びたこともだが、それだけの時間が経っていることを痛感した。
校舎の中へ入り、案内されたのは学食らしきところ。
やはり冬休みだからか、人は少ない。
「ほら。ココアだろ?」
「あ、うん。ありがと」
コーヒーが苦手な私は、昔からココア。
なんだ…覚えてたんだ…。