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青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】

第17章 守る騎士






「鈴佳!待つアル!!」


走って逃げていた私だったが、手足の長い劉にアッサリ捕まってしまった。


「離…っ」

「離したらまた逃げるアル」


悔しさと悲しさが入り混じる顔のまま、劉を睨み上げた。

すると、劉は一つ溜め息をついて、私の顔を真っ直ぐに見据える。


「鈴佳。もういいアル」

「いいって何が」

「藍川と桃井の影に怯えなくていいアル」

「!」


その的を射た言葉に、私の顔を僅かに歪む。


「鈴佳は『強くなければ』『藍川と桃井に勝たければ』って思ってるかもしれない。けど、それは鈴佳の首を絞めることでしかないアル。鈴佳が一番よく分かってるはずアルよ」

「……」


私は劉から目を背けた。

劉、と言うよりは現実から、と言った方がいいかもしれない。


「もう…『女王』なんて柵から解放されてもいいアル」

「だからっあの二人に勝たなきゃ、私は…!」

「もうあの二人に拘らなくていいアル。鈴佳は、ただの『陽泉のマネージャー』で、藍川と桃井に敗けた『女王』じゃないアル。鈴佳は一人の『枝尾鈴佳』アル」

「!」

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