青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第17章 守る騎士
「今は…それと同じくらい枝ちんのことも信頼してることも事実。ただ、身体管理の面だけは藍ちんを頼るしかないってことも事実なんじゃない?」
私の手は力なく、紫原から離れる。
私のことも…信頼してる?
そんな素振り…一度も見せたことない癖に…よく言うよ。
でも、今の紫原の目が、嘘を言ってるとも思えなかった。
「鈴佳。もういいだろ?いつまで藍川と桃井に拘ってんだ」
福井ちゃんが言った。
「……拘らないと…私は勝てないから…」
「鈴佳!!」
勝てないから。
私が勝てないと、チームも勝てないから。
勝たないと、あの過去からは解放されないから。
私は勢いよく控室を出て行った。
「ワタシが追うアル」
「そうか…頼んだぞ、劉」
「監督。俺も少し抜けていいですか?」
「分かった」