青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第17章 守る騎士
*
控室に戻った陽泉一同。
すすり泣く声が控室内に響き渡る。
私は、と言うと。
ただ「敗けた」という現実とずっと聞きたかった「ありがとう」の一言に呆然とし、立ち尽くしていた。
そんな中、紫原の携帯が鳴り響いた。
メールだろうか…その内容を見た紫原の目からは涙が零れている。
「アツシ?どうしたんだい?」
「……っ…」
氷室が問いかけても、紫原は答えない。
「とりあえず、紫原はこのまま病院へ…」
「…その必要はないよ…」
雅子ちゃんが言うと、紫原が言った。
必要がないって…。
「紫原?何言ってんの?もし大事になったら…」
「藍ちんが…ケア、教えてくれたから…」
「!」
紫原の手から携帯を奪い、表示されているメールを見た。