青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第17章 守る騎士
中学の時の、あの忌々しい記憶が鮮明に蘇る。
――― 『枝尾も…藍川と桃井には敵わねーじゃん。その差だよ、これは』
――― 『お前の実力もその程度だってことだろ』
――― 『敗けたのは…枝尾の実力不足だ』
ずっと悔しかった。
IHの結果だって、実力の差を見せつけられるようなモノで…。
結局。
私じゃ…あの子たちには敵わないの…?
私は…またあの言葉を聞かなきゃいけないの…?
「私は認めない!!こんなとこで私は負けられないのに…!あの子たちに勝って、証明しなきゃいけないのに…!!」
私の全てを…『女王』のプライドに懸けて。
勝って。
勝ち続けて。
証明しないといけないのに。
「枝尾」
涙を堪えて叫ぶ私の肩に、雅子ちゃんが手を置いた。
「陽泉の負けだ」
認めたくないのに。
それでも突きつけられる現実は残酷なモノ。
受け入れたくないモノ。
私は…敗けたんだ、と。