青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第4章 痛いほど
*
何かおかしい。
ここ最近、何をするにしても劉がついてくる。
昼休みなんか毎日のようにアゴリラと福井ちゃんが、時には紫原まで私の教室を訪れる。
まぁ…紫原の場合はお菓子を集りに来てるだけなんだけど。
兎に角!
何が言いたいかと言うと、皆がおかしいのだ。
寮を出れば劉のお迎えに始まり、学校にいる時も練習時も、寮に帰るまで。
一人になれる時間が一切見当たらない。
誰かしらが、常に一緒にいる。
「気持ち悪い…」
「あ?何がだ?」
そして今現在。
私は前に福井ちゃん。両脇に劉とアゴリラ。後ろに紫原。というなんとも不可解な状況の中、帰宅中だ。
「おかしいじゃん、この状況。何なの?この二人に囲まれたら私、囚われの宇宙人みたいだし」
2m超えの巨人二人に挟まれ、後ろには進撃の紫原。
いつ捕食されるかわからない。
「ははっいーじゃん。おもしれーし」
「よくないわっ」
福井ちゃんは笑いながら言う。